2020.03.20
読者様におかれては、日々の感染拡大防止生活ご苦労様です。
少し前に下記の記事を書かせて頂きまし。
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2020年3月9日時点での、コロナウイルス感染症に対する日本の専門家会議の公式な「知見」のまとめでした。
今回は、北海道をはじめとする日本全体がいろんな対策を講じて、あがって来た数字の分析が出来たので、その内容の会見になります。
- ◆【専門家会議会見】憂慮される個発例と怖いオーバーシュート!
◆【専門家会議会見】憂慮される個発例と怖いオーバーシュート!
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●コロナウイルス感染症「専門家会議会見」の数字の根拠
今まで参考に出来るオフィシャルな数字と言うのは、中国の発信した数字が中心でした。ただ、武漢市当局が当初コロナウイルス感染症について「隠ぺい」していたと言う事で、そんな事はないのでしょうが…イメージとして数字を鵜呑みに出来ない感覚が多くの日本人にあったと思います。
今回の根拠となる数字は「新型コロナウイルス厚生労働省対策本部クラスター対策班が分析した内容に基づき、専門家会議において検討した結果をまとめた見解」です。
いろんな情報がネットを中心にばら撒かれている状態ですが、この情報が「まず日本人が信用するべき情報」です。
まず冒頭に聞きなれない言葉が発せられました。
「オーバーシュート!」です。
●コロナウイルス感染症「オーバーシュート」について
筆者はこの言葉は医学用語としては、知りませんでした。
※オーバーシュート
今回、専門家会議がもっとも重要と表現しました「オーバーシュート」は…
「気が付かないうちに街の中に感染が拡がり、ある日突然爆発的に患者が急増する状態」
で、このオーバーシュートが一番怖いと言うのが専門家会議の冒頭発言です。
現地にいるワケではないので、あくまでイメージですが、中国の武漢・イタリア北部がそれにあたるのではないでしょうか?
当然ですが、これが起こると医療現場にキャパを超えた負担がかかり、一人一人の患者に合った適切な医療行為が行えず、死者が常識内の数字を超えてしまうと言う事です。
一説では、イタリアの致死率は7.8%と言われており、一時「インフル並」と噂された数字とかけ離れています。
●WHOによって「パンデミック」が宣言されましたが、日本の方針に変更はありません
個人的見解ですが、WHOのパンデミック宣言は「あと追い的」であったと思っています。まぁ、それはさて置き専門家会議は、WHOがパンデミックを宣言しても日本の方針は何も変わらないと言っています。
- ①クラスター(患者集団)の早期発見・早期対応
- ②患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保
- ③市民の行動変容
という3本柱で、これは上に貼ってある記事にも書いていますが、前回の専門家会議の会見ですでに示されています。専門家会議はこれを維持・必要に応じて強化して行くべきと言っています。
この記事を書く段階で、イタリアの死者数が中国の死者数を超えました。
日本は死者数が本当に少ない…
専門家会議は、諸外国では数百~数千人規模の感染者数になるまで介入されなかったことが死亡者数の急増を引き起こしたものと考えられますが、日本では少人数のクラスター(患者集団)から把握し、この感染症を一定の制御下に置くことができていることが、諸外国との患者発生状況と死亡者数の差につながっていると判断しています。
うん。ちょっと前までは外国に比べて大騒ぎと笑う人もいたけど、「外国に比べて大騒ぎ=早めのクラスター潰し」をしたおかげで、現在の規模で収まっているとも言えますね。
※クラスター対策の2つの課題
これな~医療にしてもそうだけど、「俺が手伝うよ」って言ってもやる資格も知識も能力もないから交代してあげる事が出来ない。これらに携わる方々が、不眠不休な状態になっている事は、容易に想像出来ますね。
●コロナウイルス感染症「北海道の感染状況と対策の効果について 」
※あくまで数字の分析が出来ている3月上旬の北海道の現状です。
今から書くことは…
「2020年2月28日に知事より緊急事態宣言が発出され、週末の外出自粛要請のほか、大規模イベントの開催自粛・学校の休校などが行われました。その他にも、道民や事業者、若者が主体となった啓発の取組みが、いち早く進展しています」
こう言う取り組みを、他の自治体より早く行った北海道がどうなったか?と言う事です。
- ①緊急事態宣言が出される前の2月27・28日には10名を超える新規感染者の報告が続きましたが、その後急激な感染拡大を示す状況は認められておらず、直近の数日では0~5名以内の報告に留まっています。
- ②他方、感染源(リンク)が追えない新規感染者数は横ばいに留まっており、コミュニティにおける伝播は確実には止まっていません。
- ③実効再生産数は緊急事態の発生前と発生後の同一期間(2月16日~28日と29日~3日12日)で実効再生産数を推定すると 0.9(95%信頼区間:0.7、1.1)から 0.7(95%信頼区間:0.4、0.9)へと減少をしました。
専門家会議は、これらを受けて「急速な感染拡大の防止という観点からみて一定の効果があったものと判断」しています。
ここはね、微妙なニュアンスを感じましたね。北海道の「道民」「事業者」の取り組みに感謝の意を示しつつ…
オバーシュートは防げたけれど、感染が収まったとは言えず、又「個発例」が大変気になる
こんなニュアンスにわたしは受け取りました。
●コロナウイルス感染症「北海道以外の国内の状況」
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ココからは、北海道以外の国内の状況に関しての見解です。
北海道以外の新規感染者数は、日ごとの差はあるものの、都市部を中心に漸増しており、3月10日以降、新規感染者数の報告が50例を超える日も続いています。また高齢者福祉施設で集団感染が発生する事例があります。
このことは、既に一定の地域では感染が広がりつつあり、高齢者など感染に弱い立場の方々に症状が現れてしまったことを意味しています。
※「漸増(ぜんぞう)」とは、徐々に増える意です。この言葉が一番近いので使ったのでしょう。
なかなか厳しい分析ですが、現状でしょう。ただ、「日本全国の実効再生産数」は3月上旬以降をみると、連続して1を下回り続けていて悪くないです。
さて、ここからが重要です。
実行再生産数は1を下回っていますが、心配なのは「個発例」です。専門家会議は…
「感染源(リンク)が分からない感染者の増加が生じている地域が散発的に発生しています。今後、クラスター(患者集団)の感染源(リンク)がわからない感染者が増えていく場合は、その背景に、どのような規模の感染者が存在しているかがわからなくなることを意味しています」
と憂慮している状態にあります。※リンクを追えないのが「個発例」です。
この個発例が増えれば、感染の実態がつかめない例が増える事を意味します。実態がつかめていないわけですから、対策が打てない…これが最初に書きました「オーバーシュート」につながると言うワケです。
では、いまやっている対策についてですが…
- 大規模イベント開催自粛
- 全国一斉休校
- 時差出勤
- テレワーク(リモート)
- 急速な感染拡大が危惧される地域における的確な積極的疫学調査
などですね。
当然、これら「対策をしなかった世界」とは比べて検証は出来ませんが…
- 「メガクラスター(巨大な患者集団)」の形成はなされていないと推測される
- 都市部を有する地域を中心に発症者の漸増が認められる
- 国内での新規感染者数が若干減少している
今までの流れをわたしなりに読み解くと、みんなの行動の変容のおかげでメガクラスターは防げています。日本全体を見ても一定の効果は確認出来ましたが、都市部は感染者の増加が続いていて、特に「個発例」が心配の種です。これがいつ大爆発を起こしても不思議とは言えません。
こんなところでしょうか…
●コロナウイルス感染症「重症化する患者さん」について
日本国内では、2020年3月18日までに、感染が確認された症状のある人758例のう
ち、入院治療中の人は579例おり、そのうち軽症から中等度の人が337名(58.2%)・
人工呼吸器を使用または集中治療を受けている人が46名(7.9%)となっています。
また、150例(25.9%)は既に軽快し退院しています。日本国内では、2020年3月18日までに確認された死亡者数は29名であり、イタリアなどの国と比べて、入院者に占める死亡者数の割合も低く抑えられています。
このことは、限られた医療資源のなかであっても、日本の医師が重症化しそうな患者の大半を検出し、適切な治療ができているという、我が国の医療の質の高さを示唆していると考えられます。
最後の行は、前回の会見でも言われていて専門家会議と言うか、広く日本医療界が持つ「自負」だと思います。良いと思いますよ!
やっぱりイタリアと比べるか…と思いましたが、もはや中国・韓国と言う言葉は減り欧米に完全に移っていますね。早く、日本を立て直してイタリアを助けたい気分ですが、いまのところ日本はソコまで来ていません。
これについて目の前の問題は「指定感染症病床」が残り少ない事です。
これが無くなると、後に出た重症者は適切な治療を受けれない事を意味します。
指定感染病床数を増やす事と、そこから回復して出れる患者さんのサイクルを早める…この両輪をやって行かないと!
ですので、話が戻りますが「クラスター」を芽が小さいうちに潰す事が大切なんですね。
●コロナウイルス感染症「今後の見通し」で注意喚起目的の想定
脅かすワケではありませんが、特定地域(人口10万人以上)でオーバーシュートが起こった場合で、諸国の様に地域封鎖などキツイ策が講じられなかった場合、人口の79.9%が感染すると考えられています( ゚Д゚)。※基本再生産数2.5を想定
※上記は、「北海道大学西浦教授の推計」より
で、感覚として大切なのは現在専門家会議が説明しているのは、ざっくり2週間前の事で、今の事ではないのでクラスター・オーバーシュートの芽は貴方の傍でもう発生しているかも?知れないとの事です。正しく恐れる!
なお、オーバーシュートが生じる可能性は、人が密集し、都市としての人の出入りが多い大都市圏の方がより高いと考えられます。
ですから、特に都市部の方は前回の専門家会議会見で示した、3つの条件が重なる場所に行かない行動は続けて下さい。
- ①換気の悪い密閉空間
- ②人が密集している
- ③近距離での会話や発声が行われる
●コロナウイルス感染症「地域ごとに準備が必要な医療提供体制」について
専門家会議はぶっちゃけ、オーバーシュートが起きてしまえば今の医療体制で、死亡者を少数に抑えるのは無理と考えています。これは、武漢市とイタリアを見れば納得できる感覚です。(こう言う言い方はしていませんよ^^;)
さて、公式な考えは…
まずは各地域で初期に考えられる(すでに各地域に示した患者推計モデルに基づいた)感染者数、外来患者数、入院患者数、重篤患者数に応じた医療提供体制が整えられるよう、この感染症を重点的に受け入れる医療機関の設定や、重点医療機関等への医療従事者の派遣、予定手術、予定入院の延期等できうるかぎりの医療提供体制の整備を各都道府県が実施することが早急に必要と考えます。
平たく言うと、まだ今はマシな状態だから今のうちに打てる手は出し惜しみせずに、各自治体はやっておけよ!と言う事ですね。
●コロナウイルス感染症「地域ごとの対応に関する基本的な考え方 」
今後、日本のどこかでオーバーシュートが生じた場合には、地域ごとに断続的に発生していくことが想定されます。
こうした状況下では、社会・経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大防止とクラスター連鎖防止の効果を最大限にしていく観点から、地域の感染状況別にバランスをとって必要な対応を行っていく必要があります。
①感染状況が拡大傾向にある地域
まん延のおそれが高い段階にならないように、まずは、地域における独自のメッセージやアラートの発出や一律自粛の必要性について適切に検討する必要があります。その場合、社会・経済活動への影響も考慮し、導入する具体的な自粛内容、タイミング、導入後の実施期間などを十分に見極め、特に「感染拡大が急速に広まりそうな局面」や「地域」において、その危機を乗り越えられるまでの期間に限って導入することを基本とすべきだと考えます。
(*'ω'*) まだここまで来ていないと思いますが、わたしが住む兵庫県で、「この3連休は大阪に行くな!」と言うのも近い対策かも知れません。
②感染状況が収束に向かい始めている地域並びに一定程度に収まってきている地域
人の集まるイベントや「3つの条件が同時に重なる場」を徹底的に回避する対策をしたうえで、感染拡大のリスクの低い活動から、徐々に解除することを検討することになると考えます。
ただし、一度、収束の傾向が認められたとしても、クラスター(患者集団)発生の早期発見を通じて、感染拡大の兆しが見られた場合には、再び、感染拡大のリスクの低い活動も含めて停止する必要が生じえます。
③感染状況が確認されていない地域
学校における様々な活動や、屋外でのスポーツやスポーツ観戦、文化・芸術施設の利用などを、適切にそれらのリスクを判断した上で、感染拡大のリスクの低い活動から実施してください。ただし、急激な感染拡大への備えと、「3 つの条件が同時に重なる場」を徹底的に回避する対策は不可欠です。
この①~③の専門家会議のメッセージは、今危ない地域は感染拡大防止優先だが、マシあるいはまだ感染拡大が起きていない地域は、経済などのバランスもあるので十分に注意しながらも、普段に近い生活を目指そう!と読み取りました。
まぁ、筆者は子供が居ないのでこの局面はある意味楽をさせて頂いたかも知れません。小さいお子さんがいるご両親を始め、ご家族のみなさん休校対応ご苦労様です。
専門家会議は…
休校に関しては、北海道においては他の取組と相まって全体として一定の効果が現れていると考えますが、学校の一斉休校だけを取り出し「まん延防止」に向けた定量的な効果を測定することは困難です。
また、この感染症は、子どもは重症化する可能性が低いと考えられています。
一方では、中国等では重症化した事例も少数例ながら報告されており、更に、一般には重症化しにくい特性から、無症状又は症状の軽い子どもたちが、高齢者等を含む家族内感染を引き起こし、クラスター連鎖のきっかけとなる可能性などを指摘する海外論文なども見られており、現時点では、確たることは言えない状況であると考えています。
ただし、「感染状況が拡大傾向にある地域」では、一定期間、学校を休校にすることも一つの選択肢と考えられます。
うん。ぶっちゃけて言うと子供はかかっても重症化する例は、かなり少ないけど子供が媒体となってクラスター・オーバーシュートが起きる事は十分考えられるので、危険度が上がっている地域は、休校は一つの手だしご家族のご理解を頂きたい…
こんなところでしょうか。
さて、専門家会議の会見内容はまだまだあるのですが、一般市民が「正しく恐れる」「正しく行動する」為の内容はまとめたつもりです。
参考にして頂いて、なんとしても日本の医療現場崩壊を防ぎましょう。みなさん解かっていると思いますが、コロナウイルス感染症でもし、医療現場が崩壊すれば違う病気で普段はなんとか命をとどめる病気でも死んでしまう世界になると言う事ですよ。
では、また次回です。by おしょぶ~