介護の道も一歩から 

介護のことを中心に、高齢問題・福祉・老後準備、それに纏わる時事を書いています。

高齢者の労災が増えています!これを考えて行かないと70歳まで多くの方に働いてもらうのが難しい。

2019.05.19

 

今回のテーマは「高齢者の労災が増えています!これを考えて行かないと70歳まで多くの方に働いてもらうのが難しい」でお送りします。


f:id:masaru-masaru-3889:20190519110332j:image

昨日の朝日新聞にでかでかと載っておりました。

 

お話に入る前に、現状(2019.05.19)の世間の定年事情をまとめておきましょう。

 

  • 一般企業で、いま一番多い定年の年齢は60歳です
  • 公務員も60歳です

ただ法律で、一般企業は雇用者本人が希望すれば65歳まで雇用を継続しなければなりません。そのままの延長雇用か、再雇用制度による雇用…どちらでもかまいません。

 

多く耳に入ってくるのは「再雇用制度」での雇用で、同じ仕事でも賃金がかなり低くなるようです。

一方、公務員も段階的に65歳まで定年延長の流れですが、法改正が絡むので進みは遅いかも知れません。

 

さて、現状はこうなのですが、政府は70歳までの雇用の確保を努力義務として企業に課す方針です。

 

この事自体の是非の議論もあるのですが、今回の記事では「労災」について考えてみたいと思います。

 

労災は仕事中もしくは通勤中に起こった事故による、多くはケガの事を指します。もちろん仕事環境が原因の病気も労災なのですが、今回はケガの話をさせてください。

 

ちょっと、ここで数字の確認です。

厚生労働省が5月17日に労災件数をプレスリリースしています。

 

  • 2018年の労災件数 12万7329人(対前年5.7%UP)
  • 60歳以上に限ると3万3246人(全体の約26.1%)

これね、2008年は60歳以上は全体の18%だったんですよね。これ単純に高齢者の労働人口が増えたからなんです。

上で整理しましたが、実質60歳定年から65歳定年になっているので、高齢者の労働者が増えたわけです。

f:id:masaru-masaru-3889:20190519121912j:plain

さしみさんによるイラストACからのイラスト

スポンサーリンク

 

 

そして、もともと高齢者はケガをしやすいんです。

役員を除く雇用者の1000人当たりの労災件数…

  • 20代は1.6件
  • 60代は3.8件

実に、高齢者と言う要因だけで20代の2倍以上ケガをするんです。

※この数字には病気も入っていますが…

 

やっぱり高齢になると、病気とまでいかなくても視力が落ちる・バランス感覚が鈍るなどで落ちたり・コケたりするんですね。注意力が続かなと言うのもあるかも知れません。

 

あと、特に女性はお気をつけ頂きたいのが、「骨折」です。10~40代まで転倒事故は男性が多いですが、50代から女性が多くなっているそうで、厚労省の分析では「骨粗しょう症」絡みかな…と言う意見があります。

 

つまり、高齢になり転倒して骨が弱っているため、「骨折」まで行ってしまう女性が増えると言う事ですね。これ理にかなっていると思います。

 

おしょぶ~は3年以上介護ブログを書いておりますが、「高齢者の骨折」は本当に寝たきりへの片道切符ぐらいの感覚で捉えているので、気を付けて頂きたいです。

 

かなり話がそれて来たのですが、70歳まで働けと言うのなら環境整備が必要です。

例えば、職場の段差をなくしたり、滑りにくい床材にして頂いたり…

 

でも、これお金かかります。先日、トヨタの社長が「自動車業界の会長の立場」で、終身雇用を守るのは難しいと発言されて、話題ですね。

 


「終身雇用守るの難しい」トヨタ社長が“限界”発言(19/05/13)

 

この理由ですが、「雇用を続けている企業にインセンティブが少ない」って言っているんですね。

70歳まで働いてもらう環境整備コストを企業に押し付けると、同じ理屈になると思いますし、環境整備をしないで働かせると高齢者の労災はもっと増えると思います。

 

どうしたらいいんだ~^^;って話です。みんなで知恵を絞るしかないですが…

では、また次回です。by おしょぶ~

スポンサーリンク