2017.10.04
今日のテーマは「大腸がんの原因と早期発見なら、ほぼ治ると言う話」でお送りします。
兵庫医科大学の冨田尚裕主任教授が神戸市兵庫区の健康ライフプラザで開かれた、「がんをよく知るための講座」で大腸がんについて解説をされたのですが、その内容が神戸新聞に載っていましたので、まとめます。
◆大腸がんの原因
大腸がんは日本人が最もかかりやすいがんで、年間で約15万人が発症して、約5万人が亡くなります。大腸がんになる原因ですが、赤身肉の摂取・多量飲酒・ストレス・喫煙などの生活習慣がほとんどだそうです。
※適度な運動・緑黄色野菜の摂取・リラックスする、ことが発症の抑制につながります。
一方約20%は遺伝や体質です。そのうち「家族性大腸腺腫症」「リンチ症候群」は治療後も大腸の別の場所や、子宮・胃・膵臓などに発症することがあり、特に注意が必要です。
●家族性大腸腺腫症
大腸に100個以上のポリープ(ポリポーシス)が発生する遺伝的な疾患です。
●リンチ症候群
遺伝性大腸がんのひとつ。子宮内膜・卵巣・胃・小腸・肝胆道系・腎盂・尿管がんなどの発症リスクが高まる疾患です。最も頻度が高い遺伝性腫瘍の一つです。
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◆大腸がん
大腸とは右下腹部の盲腸~直腸・肛門までの間を指します。大腸がんの約70%は下流のS状結腸と直腸に出来ます。
がんは内側の粘膜に出来、進行すると順に外側に広がり近くの臓器にも入り込んで行きます。
粘膜までなら「早期がん」・筋肉に達すると「進行がん」に分類されます。
※早期なら90%治ります!
ステージは0~4に分かれ、5年生存率は早期は80%以上ですが、4になると10%台です。
◆検診が大切
早期がんには自覚症状が、ほとんどありません。がん検診での発見が重要となりますが、日本は2013年で4割以下の受診率しかありません。
検診は2日間の大便を調べる、便潜血検査で発見率は「進行がん」で9割ですが、早期では5割にとどまりますので、毎年飛ばすことなく受ける事が大切です。
異常があれば、内視鏡検査で診断を下します。
もしがんでも、ステージ0~1なら内視鏡を使ってがんを取りますので、患者さんの負担は小さいです。2~3では、手術と言う事になりますが、腹腔鏡下手術が増加しており、格段に負担が小さくなっています。
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●腹腔鏡下手術
腹腔鏡とは内視鏡(小型カメラ)の1つで、内視鏡を体内(腹腔)に入れて手術するため、腹腔鏡手術と呼ばれる。 同じ内視鏡でも、体のどの部位に入れるかによって、名前が変わる。例えば、胸に入れて、肺の手術をするときは「胸腔鏡(きょうくうきょう)下手術」、膝の関節などで手術するときは「関節鏡(かんせつきょう)下手術」という名前になる。
腹腔鏡下手術は直径1cmほどのカメラを用いて行うので、手術の際見える視野が限られている為、内臓脂肪が多かったり、胆嚢がんが疑われる場合、腹部手術の既往など癒着のはげしい場合は初めから開腹手術になったり、手術の途中から開腹手術に移行する場合もある。 腹部に3~15ミリ程度の穴を数か所開けて、そこから腹腔鏡や専用の手術器具を挿入し、モニターに映し出される腹腔内の様子を観察しながら手術を行う方法で、開腹手術よりも患者の身体的負担が少なく、回復も早い反面、高度な技術が必要とされる。
あと直腸に近いと肛門を残せるか心配ですよね。うちの父が過去に大腸がんの手術をして、いったん人工肛門でしたが今は回復しています。
このあたりの技術もかなり進んでいまして、兵庫医大では約95%残せていると言うことです、
とにかく治療技術が進んだとしても、早期発見より優秀な方法はありません。
みんな!検診ね^^
では、また明日です。
by Oshobu~