介護の道も一歩から 

介護のことを中心に、高齢問題・福祉・老後準備、それに纏わる時事を書いています。

台風10号、グループホームで9名死亡災害。防げなかったのか!?

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http://www.ashinari.com/ 著作権フリーフォトを使用

 

2016年9月3日

(2016.11.17再編集、加筆・訂正)

 

おはようございます。

台風10号により、多くの被害だ出ております。

被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 

他にも被害に遭われた方が居るのは、分かっていますがこのブログではグループホームの件に特化して書いて行きたいと思います。

グループホームとは】

グループホームとは、認知症の症状を持ち、病気や障害で生活に困難を抱えた高齢者が、1ユニット(5~9人)で共同生活する介護福祉施設です。

 

介護スタッフが、生活の援助を行い共同生活において社会生活性を保ちながら認知症の進行を緩やかにする、狙いもある施設と言えると思います。

 

入居条件は、要支援2・要介護1以上、その施設と同じ地区住民票の所持です。

共同生活が、営める程度の身体能力も求められます。

 

基本的に一室プライベートの部屋があり、食堂・リビング等の設備で共同生活を営みます。少人数には理由があります。認知症の方には、大人数の共同生活は苦手です。

 

多くの人、事柄に対応できずに症状を進めてしまうこともあります。

かといって、まったく一人ぼっちにしても進みます。

対応出来る範囲の人数で、社会生活性を維持することに意味があります。

 

費用的には、介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・健康型有料老人ホームよりはかなり安くなります。

入居一時金0~数百万円、月額は15万円~30万円です。

 

上記の説明でも、分かるように9名は1ユニットの上限です。

つまり、施設の1ユニット全員が亡くなられたと言う大惨事です。

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【全体の状況】

大型の台風10号は30日に岩手県に上陸した後、東北地方を縦断して日本海に抜け、31日午前0時に温帯低気圧に変わりました。

岩手県岩泉町の小本(おもと)川が氾濫し、今回の被害を引き起こしました。

 

【行政も注視していた川だけに残念】

今回の事で、まず残念なのは「思いもしなかった」川の氾濫ではなかったと言う事です。

(時系列で見て行きましょう)

この施設の理事の話を参考に、時系列で見てみましょう。

  • 30日午後4時ごろ、町役場から施設に川の水量を問い合わせる電話が入っています。施設側は川があふれるまで20センチ程度余裕があることを確認して、ビデオで撮影しています。
  • 30日午後4時半ごろ、町役場に状況を伝えに行きます。

   ※過去の経験則による、あと2時間は余裕があるとの判断による行動です。

  • 30日午後5時50分ごろ、施設に戻りましたが水は既に胸の高さまで上昇していました。

【過去の経験則は大事だが…】

私はこのブログでいつも書いているのは、人間ですから失敗も判断ミスもあります。

 

そこから学び、成長すればいいわけですが、そのミスにより引き起こされた結果が重大であれば責任を逃れる事は出来ません。

結果責任」と言う考え方です。 

 

【命を預かる仕事の方は少し大げさ位で丁度良い】

この理事本人が「午前中に避難させていれば、全員助かっていた」と、言っています。

重ね重ね、残念ですね。

 

「あふれるまでに、20センチある・経験則から2時間余裕がある」➡「これが20センチしかない・2時間しかない」と言う経験則からは大げさな思考に、命を預かるならもって行くべきでしたね。

 

外野が結果論で言うのは簡単との意見もあるでしょうが、結果が重大な場合は何を言われても仕方ないと思います。

【不在時の体制が脆弱】

理事が不在の間、入居者と女性職員1名のみです。

体が自由に動きにくい、高齢者9名を水が入って来たのを意識できても、女性一人で避難させるのは無理ですね。

 

水位が上がる中、職員は男性入居者を抱えながら泳いで救助を待ったが男性は水が引く前に力尽きたと言います。

この女性職員の不安で無念な気持ち、はかり知れませんね。

 

9人のうち3人は個室で、2人はキッチンで、他の入所者は玄関近くなどで見つかったそうです。

皆さんのご冥福をお祈り致します。

 

本日はここまでとさせて頂きます。

by Oshobu~

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